Web制作のプロセス

分業が進んでいるWeb制作の現場

ウェブサイトの制作は分業が進んでいます。もちろん、ひとりで全てを作ってしまう人もいますが、多くの場合、Webサイトの完成までに多くの人が関わるものだと考える方が良いです。

もしあなたがウェブサイトを発注する立場で、制作側の窓口に立つのはひとりだとしても、その背景には多くの関係者がいて、それぞれが欠かせない仕事をしています。
関わる人が多くなればやり取りも増え、やりとりが増えれば行き違いなどの恐れも増えます。なかなかサクサクは進まないものです。
どうしてもっと早くできないの?と思うときは、窓口のひとりの向こうに多くの人とのやりとり、それぞれの仕事、決めなければならないことがあるのだと、まず理解いただけたらと思います。

以下では、ウェブサイトの企画からリリースまでに、どのようなプロセスがあるのかを、簡単ではありますがご紹介します。

Webサイトの企画段階

これから作るサイトの目的や、どのようにユーザの役に立つものにするかを考える段階です。これは、サイトを発注しようという方には、改めて申し上げることでもないはずですね。

プロセス設計を忘れずに

サイトが役立つものであるためには、サイトを管理したり情報を更新したりすることを業務に組み込む必要があるはずです。

サイトの更新や管理を担当するのは誰でしょう?
制作者とやりとりをするのは?
更新をするたびに誰に確認をする必要があるでしょう?
確認のやりとりはどのように行われますか?
そもそも「更新する」という動機はどう生まれ、その情報は社内からどのように集まるのでしょうか?

誰が何をし、どんな成果が次の仕事の材料になるのかを考えることを指して、ここではプロセス設計としています。

サイトの要件定義

ウェブサイトの目的や関連する業務のプロセスが固まったら、それらを叶えるための機能が明らかになってくるはずです。必要な機能をまとめ、要望一覧として制作者に伝えることになるでしょう。それをもとに、発注者と制作者の間でお互いの要件を確認して定義し、見積もりなどの確認が行われるはずです。

この段階にはとても多くやり取りが発生して、時間もかかるはずです。今決めなければならないの??早く制作に進みたい!デザインが見たい!!…という思いはぐっと堪えて、後の仕事のために、ここで仕様を固めます。

サイトの制作

前の段階で整理した要件をもとに具体的にどんなウェブサイトになるかを決めて、作っていく段階です。
下記にざっくりの工程名を書きますが、必ずしもこれが上から進んでいくわけではないです。昨今は並行して進める場合が多いでしょう。

工程の名前成果物
サイト設計サイト機能一覧、UI一覧、データ項目
ビジュアルデザイン制作ビジュアルデザイン一式
コーディングモジュール設計、テンプレート設計、HTML/CSS/JS 一式
CMS実装実際に稼働するCMS

要件定義が終わった時点で「サイト設計」の成果物は出来上がっているはずだと考える方もあると思います(そうだといいのに)。ビジュアルデザイン制作の段階では静止画での確認になり、コーディングを経て、ブラウザで閲覧可能なものが出来上がってきます。

C-Labo. は制作の一部を担当

HTML/CSSコーダの仕事は、一般には「コーディング」にあたる部分です。なので、C-Labo. はこのサイトの制作の段階の一部である「コーディング」を担当します。さらに、前後の段階、サイト設計やCMS実装も担当が可能です。一方で、苦手なのは、ビジュアルデザイン制作とサーバ管理です。

C-Labo. がどのようにコーディング作業を進めるのかについては、「コーディングワークフロー」をご覧ください。

CMSとは?

Contents Management System の頭文字を取ったもので、コンテンツを管理するシステムを指します。有名なのは WordPress や Movable Type などです。HTMLの知識がいくらかあり、トレーニングを受けることで、自分でウェブサイトの中のコンテンツを管理しページを増やしていけたり、体系的に情報を管理することができるので、多くのウェブサイトのプロジェクトで導入されています。

テスト・トレーニング・リリース

サイトが本当に要件を満たしているか、ユーザに使えるものになっているかをテストし、実際に更新ができるようにトレーニングなどをしてから、ウェブサイトを公開します。リリースとは、ウェブサイトの公開のことを指しています。
トレーニングはともかく、テストは制作側だけで行うものであると思われがちですが、発注者も一緒に行う方が断然、おすすめです。もちろん制作側は責任を持ってテストを行いますが、ずっと開発に携わっているために見方が偏ってしまいがちです。それを補うためにも、発注者の目でも要件が満たされているかどうかを十分に確認する必要があるはずです。

運用と保守

いちど作ってしまえばウェブサイトのプロジェクトはそれでおしまい、ということは、昨今ではほとんどありません。CMSを使う場合は特にそうで、安全にサイトを使うためには継続的な保守が絶対に必要です。

それ以外にも、少し考えてみましょう。
使っているうちにちょっとした疑問が湧いて確認したい…
使い方がわからなくなってしまった…
直して欲しいと思うことや、とりあえず相談したいことがある…
そういう場合に、気軽に制作の担当者に尋ねたいと思いませんか?

いちど作ってそれでおしまいにするより、保守や運用サポートの形で制作者にコストを払うことで健全な関係が続けば、ちょっと困ってること、使い方のわからないところや、軽微な修正を対応してもらえる、かつ、サイトの安全性も守ってもらえる。その方が好ましくありませんか?「俺とお前の仲だろう」ではなく、正式な契約である方がお互いに利があります。
もし、いまウェブサイトの制作を検討していて、運用や保守のことを全く考えていないのであれば、少し立ち止まって、ウェブサイトを作ったそのあとのことも、ちょっと考えてみませんか。


いかがでしょうか?
これはあくまで一例ですし、作るサイトの規模や引き受ける制作会社の業態によってはこの通りではないはずです。名前だけ見てもよくわからない工程も多いかもしれませんが、ひとつひとつに意味や必要性があります。もし、不安があるなら、その不安に寄り添ってきちんと説明をしてくれる制作者をパートナーに選ぶことをおすすめします。
そして、このプロセスひとつづつに、関わる人がいます。これらの仕事をする人は、スーパーマンでもなければ、魔法使いでもありません。簡単に、即座に全部できてしまうということはないのです。だれもが日々、Webのことを学び、身につけ、努力を重ね続け、自身のノウハウとしています。