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1000年後にも残るものはなんだろう

公開日: 更新日:2016-02-02

初めてお話をするような人を3人ばかりつかまえて、こんな話を振りました。

— 1000年後まで残るものってなんですかね?

デジタルデータをメディア、例えば光学ディスクに焼いてみたところで、せいぜい数十年じゃないか、磁気テープの方が長く残せるらしい、未来には修復技術も発達しているだろうから結構いけるんじゃないか・・・・

こういう突飛な話にまともに答えていただけるのがありがたい。

和紙に墨で書くのはすでに実績がありますよね、やっぱり口伝とかなのかなあ、DNAも記録媒体と言えるよね、そういうSFがある、写真家さんが写真を保存しておきたかったらフィルムの方がいいと言っていた、デジタル意外と信用できない、プリントしても色褪せる、昔のカラー現像の仕組みってあれ何なの・・・・

いろんな話が出てきて、どんどん飛び火していった。

百人一首とかがちょうど1000年前ぐらい、あれは伝えられているよね、残ってきた条件て何だろう、とか言いつつ、教育に取り入れられたのって結局最近でせいぜい明治ぐらいだったりして、石碑とかに彫るとか、風化するんじゃないか、1000年残ってる石碑身近にはない気がする、それなら紙の方がたくさんかける、1000年保つ建物に保管すれば、そもそもどんな風に残したって受け取る人が変わったら、価値も変わっちゃうんじゃないの、元々のものではありえないよね、その変化さえ含めて妄想も価値なんじゃないのか・・・・・

などなど、結局結論は出ないまま。

ところで、この会話をしていて誰からも「何を残したいの?」という当然のような疑問は出なかったのですが、言い出した私も具体的に何かを想定していたわけではありませんでした。しいて言えば、脳裏にあったのは震災のことです。この震災の教訓を後世に、という言葉を何気なく聞いていて、1000年に一度という尺度の出来事において、長い時間を超えてどうやって伝えるのだろうか、という純粋な疑問でした。

ただの思考実験のようなことですが、こういう風なことを考えてみることは、何だか悪くないように感じました。方法はともかく、1000年後まで残っていて欲しいものは何だろう。それのために自分ができることとは。